院長コラム
「エナジードリンク」の注意点
若い人々を中心に人気の「エナジードリンク」
眠気がなくなったり、頭がスッキリしたりするという理由から愛飲する人も増えています。
エナジードリンクとは「カフェイン」「アミノ酸」「ビタミン」などを含んだ清涼飲料を指します。糖類を多く含む炭酸飲料が多く、眠気覚ましやリフレッシュ効果をうたっています。
少量であれば大きな問題はありませんが、飲みすぎると体に悪影響を及ぼす危険性があります。
問題となるのは、カフェインや糖質の過剰摂取です。
若年者でエナジードリンクの飲みすぎで問題になるのは、カフェインの過剰摂取です。
2024年5月末、農林水産省HPで(エナジードリンクを含む)カフェインを多く含む飲み物の多用についての注意喚起がなされています(https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html)
カフェインの代謝が遅い遺伝子型を持つ人が、カフェインを毎日多量に摂取し続けると高血圧の発症リスクを高めることが、トロント大学の研究で報告されています。また妊婦さんが1日300 mg 以上の高カフェイン摂取を行うと低体重児、流産、死産のリスクが高まる可能性が報告されています。
カフェインの代謝(分解)は人により異なります。
少量のコーヒーで頭が痛くなるような人は代謝能力が低いと言えます。
カフェインには血管を収縮作用があり、頭痛が生じます。代謝に問題ない人がカフェインを短時間で多量に摂取すると、中枢神経系の刺激によりめまい、動悸、不安、手足の震え、下痢、吐き気といった急性中毒症状が表れることがあります。
モンスターは1本355mlあたり142mg、レッドブルは1本250mlあたり80mg。参考ドリップコーヒー1杯150mlでカフェイン90mgです。健康な成人は最大400 mg/日(マグカップコーヒで約3杯)までが目安とされています。コーヒーなどを飲まれない方は1日2本程度、他にカフェイン入り飲料を飲まれる方は1日1本程度までを目安にするといいと思います。