院長コラム
「潰瘍性大腸炎」
IBD(炎症性腸疾患)の中でも最も患者さんの多い潰瘍性大腸炎の患者数は年々増加し、1980年には約4,400人でしたが、現在は約24万人程度とされています。(指定難病の中でも最も患者数が多くなっています)
発症年齢のピークが10代~30代とライフイベント(受験、就職、結婚、出産など)が重なるため、学業、日常生活、仕事に支障を来すことも少なくありません。
原因はわかっておらず、根治治療は確立されていません。
近年は症状の寛解(症状が日常生活に支障がなくなった状態)が期待できる治療法の進歩がめざましく、早期に診断されて適切な治療を受けられれば、長期的な予後を(入院率、手術率の低下)を大きく改善させることが可能となってきました。
最初の症状は、下痢、腹痛などの症状です。
血便を認めるとさすがに心配になって病院に来院されることが多いですが、時々腹痛や下痢を起こす方は自分はお腹が弱いだけと思われて、すぐには来院されないことが多いです。
症状は本人しかわからないことも多く、時に学業や仕事を優先される場合もあります。
IBDと診断されて終わりではなく、症状が落ち着いた寛解(かんかい)の状態まですることが望ましいです。
転居や転勤により新しいかかりつけ医を探されている方、ぜひ気軽にご相談ください。