院長コラム
「先生、においがわかりません」Vol.2
前回に引き続き「匂い」の問題です。
内科医も匂い→鼻の問題→耳鼻科って概念でした。
コロナを経て「においがわかりません」って相談にも対応できる力が必要とされるようになりました。
「嗅覚低下」は加齢やコロナ後遺症だけではないです。
最も多いのは耳鼻科の病気です。
嗅覚低下を伴う耳鼻科疾患で最も多いのは、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)という病気です。
副鼻腔炎はウイルスや細菌、アレルギーをきっかけに副鼻腔の粘膜が腫れあがって、本来鼻からでてくるはずの鼻水(細菌感染を合併すると膿)がでなくなり、副鼻腔に鼻水や膿がたまるようになります。
出てこれない鼻水や膿があふれて口の中に流れこむ後鼻漏を起こすと、今度は喉を刺激して、咳や喉の違和感を感じる方も多いです。
副鼻腔の炎症が周囲まで影響すると頭痛や顔や眼の下の痛みがでます。
来院されて時には鼻水、鼻が詰まって息がしにくい、匂いがわからないと訴えられることが多いです。
内科でも初期対応できますが、3か月以上症状が続く場合(慢性化)している場合は、耳鼻科での適切な治療が必要です。
適切な処置をうけることでより70-80%の嗅覚は機能回復が見込めると言われています。
副鼻腔炎を繰り返している方、なかなか治らない方はぜひ耳鼻科でも相談してみましょう。
