院長コラム

認知症治療・予防の新しい時代の幕開け

認知症の多くを占めるアルツハイマー型認知症は、アミロイドβという異常たんぱくが脳内に蓄積して、正常な神経細胞が死ぬことで記憶力、認知力などの低下が起こることが分かっています。
この「アミロイドβ」脳内環境を悪化させるたんぱくの蓄積を防ぐことが、認知症の発症や進行予防に重要であると考えられてきました。
2023年には待望の「アミロイドβ」の蓄積を減少させる治療薬「レカネマブ」が日本でも承認されました。18か月の投与データーでは、プラセボと比較して実薬群で優位に「アミロイドβ」の蓄積が抑制され、認知機能評価(CDR-SB)の悪化が抑制されました。
「アミロイドβ」沈着してしまい、いったん神経細胞の破壊がなされてしまうと、神経の再生は難しいと考えられています。このため現在ではは認知症発症前、いわゆる軽度認知障害(MCI)の段階からレカネマブの使用することも視野にいれられています。

認知症は同居するご家族を巻き込む不治の病でした。
この難治な病の発症予防ができる画期的な治療薬が発売されて、認知症という国民病は大きな転換期に入ったと言えます。

認知症診断、治療分野については、内科医としても大いに興味があり、今後の発展を大いに期待したい分野です。