院長コラム

血糖値のグレーゾーンを理解しよう

健康診断で「血糖値が高め」「糖尿病の可能性がある」と指摘されて、ご心配されて相談にいらっしゃる方が増える時期です。糖尿病と診断されるほどではないけれど、正常とも言えない ― この中間の状態を 境界型糖尿病(いわゆる糖尿病予備群) と呼びます。
その代表が IFG(空腹時血糖異常) と IGT(耐糖能異常) です。

IFG(空腹時血糖異常)

  • 空腹時血糖が 110~125 mg/dL の場合を指します。
  • 背景には「夜間や絶食時でも血糖が下がりにくい」状態があり、主に 肝臓のインスリン抵抗性 が関係しています。
  • 食後の血糖はまだそれほど上がっていないことが多いのが特徴です。

IGT(耐糖能異常)

  • 75gブドウ糖負荷試験(甘いジュースを飲んでもらい血糖がどれぐらい上昇するか)を行い、2時間後の血糖が 140~199 mg/dL だった場合に診断されます。
  • 空腹時血糖は正常でも、食後に血糖が高くなりやすいタイプ。
  • 筋肉での糖の取り込みがうまくいかないこと、インスリン分泌が遅れることが原因と考えられています。

IFG(空腹時血糖異常)とIGT(耐糖能異常)の違い

  • IFG:空腹時に血糖が高め(=肝臓の問題が中心)
  • IGT:食後に血糖が高め(=筋肉や膵臓の問題が中心)

つまり、同じ「予備群」でも 血糖が高くなるタイミングが違う のです。

診断されたら・・・

  • IFGもIGTも将来の糖尿病リスクが高い状態ですが、特にIGTは心筋梗塞や脳梗塞など心血管疾患リスクと強く関係しています。
  • 健診で「空腹時血糖がやや高め」「HbA1cは正常だけど心配」といった場合には、食後の血糖を調べる75gブドウ糖負荷試験(OGTT)が重要になるます。