院長コラム

サ活4 サウナを科学する〜サウナがうつや不安を軽減する理由

サウナ後のあの穏やかな気持ち、頭の中が整理されたようなすっきりした感覚。
近年の研究で、以下の機序に基づく脳代謝がリセットされていることがわかっています。

脳の炎症を鎮める

ストレスによりサイトカイン(IL-6、TNF-αなど)が上昇、神経伝達物質の働きを阻害してことがうつ病や不安障害の原因と言われています。

サウナ入浴後にはこれらの炎症マーカーが有意に低下(Frontiers in Neuroscience, 2020)さらに、熱ストレスによって誘導されるヒートショックプロテイン(HSP)が細胞の修復を促して、神経の炎症を抑える作用が報告されています。サウナには脳内の炎症を鎮める作用があります。

脳が回復モードに入る

運動と同じように、サウナによって脳由来神経栄養因子(BDNF)が上昇します。BDNFは神経細胞の成長・再生を促すタンパク質で、うつ病ではこの物質が低下していることが知られています。

BDNFが増えるとシナプス可塑性(情報処理能力)が改善して、記憶力、集中力が向上し、幸せホルモン(セロトニン)の働きが強まると考えられています。

幸福のホルモン再配列

サウナ中の熱刺激と冷刺激の繰り返しは、脳幹の縫線核(せんせんかく)を介してセロトニン神経を刺激します。

結果として、セロトニン(安心・安定・満足感)、エンドルフィン(痛みの緩和・快感)、ドーパミン(意欲と集中)、オキシトシン(人への親和・穏やかさ)が絶妙なバランスで同時に分泌されることで“ととのう”(静かな多幸感)を味わうことができます。

自律神経と脳血流のハーモニー

サウナ→ 水風呂→ 外気浴のサイクルで、脳血流は前頭葉から辺縁系(感情の中枢)へとゆっくり再分配されると報告されています。

米国のランダム化試験(Psychosomatic Medicine2021年)によれば、軽度〜中等度うつ患者を対象に高温乾式サウナを週2回 × 4週間施行して、対称患者と比較した論文があります。それによると、サ活患者はHAM-D(うつ病評価スコア)が平均40%改善、更に睡眠の質や疲労感の改善を認め、その効果は運動療法に匹敵すると証明されています。

「ととのう」は脳の再起動であり、心の不調を抱えがちな現代人にとって、定期的なサ活はメンタルヘルスの維持に役立つ活動と言えます。

サウナ好きの方、サウナに興味ある方は、この帰省中にぜひ旧友やご家族と一度サウナに行ってみませんか?。

行く年、くる年
2026年もコラムを読んでくださるすべての皆様にとって、素晴らしい1年になりますように!