院長コラム

意外と多い、内科疾患による不眠

内科疾患による不眠は、見過ごされやすい重要なサインです。
不眠を訴える患者さんの約35%は、単なる睡眠の問題ではなく、何らかの内科的疾患が背景に関与しているといわれています。睡眠時無呼吸症候群だけでなく、甲状腺機能異常、心不全、気管支喘息、胃食道逆流症などは、夜間の身体症状を通じて睡眠の質を大きく低下させると言われています。

特に睡眠時無呼吸症候群は、本人の自覚が乏しいまま眠りを断片化させ、日中の眠気や集中力低下、さらには高血圧や心血管疾患のリスク上昇にもつながります。この場合、必要なのは睡眠薬ではなく、呼吸を整える治療であり、原因に対するアプローチが最も重要です。

また、更年期に伴うホルモン変動、夜間頻尿、慢性的な疼痛も不眠の大きな要因となります。これらは「眠れないこと」自体よりも、「夜間に身体が安定しないこと」が本質であり、睡眠薬だけでは十分な改善が得られないことも少なくありません。

不眠は単なる生活習慣の乱れやストレスの結果として扱われがちですが、身体からの重要なSOSサインです。眠れないという症状だけに目を向けるのではなく、その背景にある内科的な原因が隠れていないかを常に考える必要があります。眠れない人で、どこに言ったらいいか分からない人は一度内科の門を叩いてみてください。不眠は単に睡眠薬の処方をうければ改善するものではありません。適切な診断には幅広い知識と経験が必要です。眠れていないと感じている人は、ぜひ一度睡眠時無呼吸症候群の検査をおすすめしたいと思います。この検査で眠りの質の確認も行えます。