院長コラム

酒とお供に、トマトの効用

トマトは、赤い色をした数少ない野菜として食卓を彩ることも多い食材です。
トマトに含まれる赤い色素「リコピン」は活性酸素を取り除き、その抗酸化作用により、動脈硬化(それに伴う心筋梗塞・脳梗塞)の予防すると言われています。加えて中性脂肪の上昇を抑制することが証明され、ダイエットブームで一気に広まりました。
トマトの驚異のパワーは、実はこれだけとどまりません。
アサヒ飲料とカゴメの共同実験で「トマトジュースとアルコールを同時摂取すると、トマトジュースを飲んでいない場合と比較して、血中のアルコール濃度や体内に留まる量が平均で約3 割減少し、体内からのアルコール消失も50分早まる」ということが確認されています。
飲酒時に一緒にトマトをとることで、アルコールの酔いの回りが緩やかになり、飲酒後の酔い覚めが良くなると考えられています。
そんな理由からではないと思いますが、世の中にはトマトジュース×お酒を混ぜたカクテルがあります。
有名なのがレッドアイ(×ビール)、ブラッディメアリー(×ウォッカ)です。
その他にも、ブラッディサム(×ラム)、ストローハット(×テキーラ)などもあります。
熱い季節に定番の冷やしトマトならトマトの体を覚ます作用も追加されます。
温かいトマト料理(トマトの煮込みやトマト風味のパスタ)がでてくる地中海料理は、実は酔いを緩やかにする工夫が詰まった料理だったんですね。

伝統的な組み合わせに、科学的根拠があると知ることでとても感銘を受ける日々です。